人工関節の素材って、なにでできているの?

みなさん、こんにちは。
最近、「人工関節って何でできているんですか?」というご質問をいただくことが増えてきました。

手術を考えている方や、身近に人工関節を入れている方がいる方にとって、どんな素材でできているのかを知っておくのは安心にもつながります。

今日は、人工関節に使われる主な素材とその特徴について、簡単にご紹介します。

■ 金属(メタル)

人工関節の骨のような部分には、強くて長持ちする金属が使われています。

代表的な金属

  • チタン:とても軽くて体になじみやすい金属です。骨としっかりくっつくので、ぐらつきにくく、よく使われています。
  • コバルトクロム合金:少し重めですが、とても硬くて壊れにくいので、よく動かす関節(ひざや股関節など)に使われます。
  • ステンレス:最近は主流ではありません。

※まれに金属アレルギーの方もいるので、事前の検査が必要なこともあります。

■ セラミック(陶器のような素材)

お茶わんのような見た目の素材ですが、人工関節用のセラミックはとても丈夫に作られているので安心です。

  • 表面がとてもなめらかで、摩擦が少なく動きがスムーズ
  • 金属とちがってアレルギーの心配がほとんどない

※昔は割れやすいこともありましたが、最近はかなり改良されて安全になっています。

■ プラスチック(ポリエチレン)

関節のすきま(軟骨の代わり)には、やわらかめの特別なプラスチックが使われています。

  • クッションのような役目で、骨どうしがぶつからないようにしています
  • 軽くてやさしい素材ですが、長年使うと少しずつすり減ることがあるため、改良が進められています

■ 組み合わせて使うのがポイント

人工関節は、1つの素材だけでできているわけではありません
例えば股関節の場合は、次のような組み合わせが使われます。

  • 骨の部分 → チタンやコバルトクロム
  • 動く部分(軟骨の代わり) → セラミックやポリエチレン

こうすることで、体になじみやすく、動きやすく、長持ちする人工関節ができるのです。

■ まとめ

人工関節の素材は、すべて体にやさしく、安全性と耐久性が高いものが使われています。

人によって合う素材や手術方法は違いますので、
「こんな素材があるんだな」と知っておくだけでも、いざというときに安心ですね。

もし周りで人工関節を入れた方がいたら、
「それ、チタンかな?セラミックかな?」なんて話題にしてみるのもいいかもしれません。