気象痛(天気痛)はなぜ起こる?
〜気圧の変化と自律神経の深い関係〜
「雨が近づくと膝や腰が痛む」「頭痛が出やすい」
こうした“気象痛”を訴える方は整骨院でも非常に多く見られます。
天気痛の原因としてよく言われるのが 気圧の変化に対する自律神経の乱れ です。では、実際どんな仕組みで体に不調が出るのでしょうか?
◆なぜ気圧が下がると身体が痛くなるのか?
①【内耳のセンサーが気圧変化を感知する】
人間の体には気圧を感じ取るセンサーがあり、その中心は 内耳(耳の奥) と言われています。
気圧が下がると内耳のリンパ液が膨張し、脳に「変化が起きたよ!」と信号を送ります。
②【その信号が自律神経を刺激する】
気圧が下がった時、身体は「ストレスが来るかも」と判断し、
交感神経=アクセル の働きが強くなります。
その結果…
- 血管が収縮して頭痛
- 筋肉が緊張して肩こり・腰痛
- 痛みのセンサーが過敏になり古傷が疼く
といった症状につながるわけです。
◆天気痛が強い人の特徴
- 日頃から肩こり・首こりが強い
- 低気圧の前後に頭痛が出やすい
- 不眠気味、ストレスが多い
- 自律神経のアップダウンが激しい
といった特徴があります。
特に 首の筋緊張が強い人は気圧の影響を受けやすい と言われています。
首には自律神経を司る神経が集まっているためです。
◆整骨院でできるケア
★① 首・肩周りの筋緊張をとる
- 後頭下筋群(首の付け根)
- 胸鎖乳突筋
- 僧帽筋上部
これらが硬いと自律神経の調整がうまくいかなくなります。
丁寧にほぐすことで「気圧の影響を受けにくい身体」に変わります。
★② 自律神経を整える呼吸の指導
特に副交感神経を引き出す「長い呼気」の練習は効果的です。
(例:4秒吸って6秒吐く)
★③ 耳まわりの手技(耳介マッサージ)
内耳まわりのリンパ循環を整え、天気痛の軽減に有効とされています。
◆家でできるセルフケア
◎① 後頭部のストレッチ
タオルを頭の後ろにかけて軽く下へ引っ張り、
アゴを軽く引いて10秒キープ × 3回。
◎② 耳をまわす・引っぱる
- 上・横・下方向に軽く引っぱる
- 耳全体を円を描くようにやさしく回す
1分程度でOK。
内耳周囲の循環改善は天気痛の定番です。
◎③ ぬるめの入浴
39〜40℃で15分ほど。
交感神経の過緊張をやわらげてくれます。
◆まとめ
- 気象痛は「気圧の変化 × 自律神経の乱れ」で起こる
- 首・肩がこっている人ほど天気の影響を受けやすい
- 整骨院では首・肩の筋緊張改善や自律神経ケアが可能
- 耳まわしや呼吸法など、自分でできる方法も有効
気象痛は“体質”ではなく、“整えれば改善できる状態”です。
季節や天気に振り回されない身体づくりのために、早めのケアをおすすめします。

